建設業許可の許可要件③ー財産要件
この記事でわかること
建設業許可取得に必要な三つの要件である「経営業務管理責任者の経営経験」「専任技術者要件」「財産要件」のうち、財産要件について理解できます。
※愛知県で建設業一般許可を取得するケースを想定して記載しています。
建設業許可の概略については下記記事もご参照ください。
また専任技術者要件については下記記事をご参照ください。
財産要件とは
建設業一般許可を取得するための財産要件とは下記のいずれかに該当することです。
①許可申請日の直前決算の自己資本が500万円以上であること
②500万円以上の資金を調達する能力を有すると認められること
③許可申請直前の5年間、許可を受けて継続して営業した実績があること
①の自己資本とは、法人の場合は貸借対照表の純資産合計の額、個人事業主の場合は
期首資本金、事業主借勘定及び事業主利益の合計額から事業主貸勘定の額を控除した額
に負債の部に計上されている利益留保性の引当金及び準備金の額を加えた額を言いま
す。
②の資金調達能力は下記のどちらかにより判断されます。
・金融機関発行の500万円以上の預金残高証明書
・金融機関発行の500万円以上の融資証明書
※ともに本申請の際に発行から2週間以内のものが必要になります。仮申請の際には
提出不要です。
※残高証明書が複数の金融機関で2枚以上になる時は基準日が同じ日のものである必要
があります。
特定建設業の財産要件とは
特定建設業の場合には比較的大規模な工事に関わる機会が増えることから、
一般許可よりも重い財産要件が課されており、申請日直前の決算において下記の
全ての要件を満たす必要があります。
①欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと
②流動比率が75%以上であること
③資本金の額が2000万円以上であり、かつ自己資本の額が4000万円以上であること
「欠損の額」とは、法人にあっては貸借対照表の繰越利益剰余金が負である場合にそ
の額が資本剰余金、利益準備金及び任意積立金の合計額を上回る額を、個人にあっては
事業主損失が事業主借勘定から事業主貸勘定の額を控除した額に負債の部に計上されて
いる利益留保性の引当金及び準備金を加えた額を上回る額をいいます。
また「流動比率」とは、流動資産を流動負債で除して得た数値を百分率で表したもの
を言います。
※特定建設業の場合には特例措置も設けられています。詳しくは下記サイトより許可
申請書の手引きをご確認ください。
まとめ
建設業許可の申請には上記財産要件を満たす必要があります。一般建設業許可と
特定建設業許可で要件が異なりますが、基準を満たしているかは専門的な判断も
必要になりますので、許可申請をお考えの方は行政書士等の専門家へのご相談を
お勧め致します。
投稿者プロフィール
- 【スタートアップ行政書士事務所 代表/行政書士】
佐野 太一(さの たいち)
2022年3月開業。愛知県あま市にて行政書士事務所を経営。
専門分野は建設業許可、産業廃棄物収集運搬業許可、補助金申請。
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